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【レビュー】『ミュージック』 / サカナクション

彼らは未来だ

ミュージック (初回生産限定盤)ミュージック (初回生産限定盤)
(2013/01/23)
サカナクション

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 パッケージを開けて驚いた。フィルムの袋の中に入っていたのは、スリーブケースでもプラケースでも紙ジャケでもなく、CDサイズに小さく折り畳まれたポスターだった。その中に、CDとツアーの先行予約のためのチラシがくるんである。これが、サカナクションのワンコインシングルだ。
 今回のパッケージにもまた、「いつも何かを起こし続けること」「何もせずには終わらせないこと」への彼らの、ストイックさと肯定感がストレートに出ている。ついて回るリスク(単純な誤解や、ひねくれた一部のリスナーの諦念により“戦略立て”そのものがマイナスに受け取られること)すらも受け入れたそんな姿勢を、ファンは愛をもって信頼するのだ。既存のカッコいいロックバンド像(テレビに出ないとか)が徐々に崩壊しつつある今、これからの時代に強い光を放つミュージシャンのスタンスとは、こういうものではないか。私はサカナクションにそんな希望を抱いている。
 作品の話に戻ろう。柔らかい麻布のようなシンセ音がダンサブルに波打つ表題曲“ミュージック”は、“エンドレス”のような静謐な感情の揺らぎと、“ルーキー”のようなクラブの熱狂が、これまでより更に高い次元で融合している。こんなにもパーソナルでセンシティブでヒリヒリするのに、絶対ライブで盛り上がる、早くライブで見たいと思わせる。高次元というのはつまり単純に、そのどちらを取っても今までよりずっとハイパーなのだ。
 カップリング“映画 (コンテ 2012/11/16 17:24)”には、曲の冒頭に立体音響技術を用いて収録した街の喧騒が収められている。彼らがなぜこのような手法で制作をし、更にそれを「映画」と名付けたのか。とにかく、人々が日々の中でさみしさややるせなさを感じ、ふとそんな心の揺れを歌やメロディにして口ずさんでみたいと思う時、その時のその歌とは、実体を持たないとしてもきっとこういうものじゃないだろうか…と感じた。それは誰も立ち入れない一人の心の空間で、サカナクションもとい山口一郎は、ここでそれを描き出したのだ。
 ただ、これら2曲を合わせたシングル自体の雰囲気は、ジャケットからも分かる雰囲気の通り、暗闇や川沿いの似合う物静かな成分が強く、“アイデンティティ”“ルーキー”のような攻撃性は影を潜めている。CDに同梱されたチラシでは3月のニューアルバムのリリースが報じられており、きっとこの2曲は、これからサカナクションが新しく世に出す世界の布石だろう。なにぶん、オリコンウィークリーで2位を獲得したロックバンドの次作だ。大げさでなく、それはきっと日本の音楽業界の未来だ。楽しみでないはずがない。

Text by 吉田 紗柚季 (twitter:@Rougetsu12, facebook)



サカナクション/「ミュージック」MUSIC VIDEO
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【ジャケ買いレビュー】田中宏一郎&青木優太 in FLAKE RECORDS

 LIGHTER新企画その名も「ジャケ買いレビュー」とは、まったくもって初見、ただジャケットに惹かれて購入した(=ジャケ買いした)CDのディスクレビューを書いてみたら面白いんじゃないか、という発想からスタートした企画である。今回を第0回として、次回より毎月メンバーがジャケ買いしたCDのレビューを書いていく。もちろんジャケットのどういったところに惹かれたのかも書いてもらい、CDという作品としてのレビューを掲載していくので、楽しみにしていただきたい。そんな今回は、大阪南堀江にあるFLAKE RECORDSさんにお邪魔しました!





Year of the Witch [Analog]Year of the Witch [Analog]
(2012/03/27)
Races

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 私がジャケ買いしたのは、2012年3月にNYのバンドRacesがリリースしたファーストアルバム『Year Of The Witch』だ。ジャケットの表は、唇を引っ張る女性の写真、そしてバンド名とアルバムタイトルというシンプルなものだ。しかし、ジャケットの裏には雪の降り積もる寂しげな森。これを見て私のセンサーが引っかかった。このバンドはサイケ/ドリームポップ/シューゲイズ的なバンドに違いない、と。
 実際曲はというと、Arcade Fire筆頭にアメリカインディーでブームとなっているコーラスワークの多用、そこにサイケデリックなギターとメランコリックなストリングスを絡めたバンドサウンドの美しさが光っていた。中でもリードトラックである2曲目“Big Broom”は歪んだベースがコードを引っぱりピアノやストリングスを随所にちりばめられ、まるで幻想的な世界に誘われるようだ。そして、驚いたのが、NY出身でありながら、メロディがトラッドなイギリス的メロディであったことだ。3曲目“Song Of Birds”や4曲目“Lies”にはU2やCold Playあたりの影響が色濃く出ていると見受けられる。いやしかし、何故このバンドが2012年でもっと話題にならなかったのだろうか。2010年のArcade Fireのグラミー獲得以降のアメリカインディーの流れを受け継ぎ、イギリス的な泣きメロを操る彼らの今後に注目したい。



Text by 田中宏一郎(@tanakou_INM)





GoneGone
(2012/03/20)
Vacationer

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僕がジャケ買いをしたのは、2012年4月にリリースされたVacationerのデビューアルバム『Gone』だ。Vacationerとは、Starting Lineのヴォーカリスト、Kenny Vasoliのソロ・ユニットだ。このジャケットの気に入っている点は、なんといっても、少しくすんだエメラルドグリーンの空と黄色く輝く満月のコントラストだ。手にとった瞬間、これを買うんだろうなと、試聴をする前の段階から感じていた。俗にいう、運命を感じるというやつである。こんなジャケットのような写真も撮ってみたいなぁ、そう思いながら試聴機の再生ボタンを押した。
試聴機には”Everyone Knows"ともう2曲入っていた。もう、その2曲を聴く必要もなかった。なぜなら、1曲目の”Everyone Knows"を聴いた瞬間、買うことを決定したからだ。ここ最近、インディーロックやシンセポップと言われるジャンルの音楽にはまっている僕にとって、この曲はドンピシャだった。気がついたら、曲の半分を超えたあたりから、先を知るはずもないこの曲を口ずさんでいた。しかも身体を揺らしながら。このアルバム全体を通して、どこか南国の独特の空気感が感じられ、目を閉じれば、ジャケットに映し出されているような、夜になっていくビーチの風景が浮かんでくる。このアルバムを聴けば、あなたの心は南国までひとっ飛びだ。いつか、このジャケットのような景色を望む、海辺のコテージで読書なんかしながら聴いてみたい。



Text by 青木優太(@yuta_LTD

【レビュー】『1-2-3』 / THE BAWDIES

再び開かれたロックンロール

1-2-3(初回限定盤『DVD付き』『全国全県ツアー第二弾発表公演のチケット先行抽選予約シリアルナンバー封入』)1-2-3(初回限定盤『DVD付き』『全国全県ツアー第二弾発表公演のチケット先行抽選予約シリアルナンバー封入』)
(2013/01/16)
THE BAWDIES

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 彼らが『1-2-3』の曲を紹介する上で、欠かさないキーワードがある。「開く」。今までも決して閉じていたわけではない、求める者には必ず「開い」ていたし、いつでも私たちファンを楽しませてきた。しかし、今、改めて「開い」たのだ。それが何を意味するか。より多くの人が親しみやすいロックンロールになった、これだ。
 今まで、THE BAWDIES対リスナーの構図はキャッチボール的だったと思う。愛や熱を、全力で投げ、全力で受け止める。じゃあ、このアルバムはなんだ。都会に降る雪のような、幸せが降り注いでくる、そういったところだろうか。使い古されたような言葉が一番しっくりきてしまった。愛や熱を受け止める準備などできていなくとも、そんなのはお構いなしだ。
 1曲目、アルバムの「顔」となる曲 “DANCE THE NIGHT AWAY”は、誰もが聴いたことのあるようなロックンロールのリズムに、それぞれの音色によってTHE BAWDIESらしさを光らせる。久々に使用したピアノもその良いエッセンスになっている。そしてこのアルバムには、もう1曲、アルバムの「顔」候補があった。6曲目“LISTEN”だ。ROYが推すが、6曲目になった。アナログレコードの場合、A面B面が存在するが、この曲はB面1曲目という大役を任ぜられた。ここが隠された始まりであることを意識して聴くと、おもしろいかもしれない。今回は、『LEMONADE』収録の“GET IT”に引き続き、JIM(G)作曲の“SHA LA LA”も収録された。MARCY(D)が鳴らすハイハットの音と、ギターの高音域の軽やかな歪みが、その爽やかさを演出する。「優しく歌うROYくんの声がまた良いんだよ」(JIM/アルバム先行視聴会にて)と、JIMが惚れ込んだROY(Vo&B)の歌声にも注目していただきたい。またTAXMAN(Vo&G)がボーカルを務める曲はアルバムには必ず収録されているが、今回はどこか違う。“TAKE A CHANCE”はどことなく女性ボーカルの楽曲的な要素を感じさせる。TAXMANの歌の語尾がくねっと、なんだかセクシーな1曲だ。
 そして初回盤限定収録の“1-2-3”。アナログマルチレコーダーを使用して、制作時間わずか1日で仕上げられたこの曲。 “DANCE THE NIGHT AWAY”から“SING YOUR SONG”の全11曲で『1-2-3』は1度完結している。その延長線上にある曲ではない。これもアルバムのもう一つの「顔」だ。熱量が半端ではない。彼らが伝えたかった「初期衝動」は損なうことなく、ガツンと響いてくる。ただのカッコいい曲で終わらせてほしくはない。というのも、初回盤に付いてくるDVDには、この曲の制作過程がドキュメンタリー映像として収録されている。ここで注目していただきたいのは、曲を世に出すことの大変さだ。1曲作るのに、かかる労力が身に染みる。それはどんなアーティストのどんなCDにも言えることだ。CDが売れないといわれる今こそ見てほしいDVDだ。今回のアルバムはタイアップ曲も多く収録されていることもあって、いろんな層のリスナーが手に取ることだろう。「開か」れたこのアルバムに、そんなDVDをつけるのは大変意義がある、感慨深い。
 全体を通し、一貫して言えることは、コーラスが空間的広がりを生み出す上で大きな役割を果たしているということだ。ROYの歌声も「歌う」ということに力点を置いたような、尖ったというよりは、丸みを帯びたそんな歌声だ。確実に声を自分のものにしたなという印象を受ける。ただただ音が前に出てくるというよりは、それぞれの音色が目を合わせながらも、自分たちで好きなように踊っているかのような。広がったり、きゅっと縮まったり、飽きさせない工夫がそこら中になされている。また、ハンドクラップによって、想像させるのは、それを聴いて楽しんでいるファンの姿だ。ロックンロールがダンスミュージックであるということを改めて感じさせられる。
 私たちが生まれるずっと前、ロックンロールはポピュラーミュージックで、大衆を楽しませてきたものであったこと。しかし、いつからか、ロックの1分類にカテゴライズされて、一部の人達しかその楽しみ方を知らなくなってしまった。そんな今に「1、2、3!」と風を吹かせる。再び、ロックンロールの扉が多くの人に「開か」れた。飛び込んでしまえば、あとは彼らに任せればいい。今を共に生きる彼らだからこそ鳴らすことのできるロックンロールで、みんなで踊ればいい、簡単なことだ。

Text by 泉井 麻由 (twitter @ijui_mayu)

【レビュー】『Handmade』 / WEAVER


こんばんは(*^^*)久々のディスクレビューです。
本日は、音小屋での初のイベントが発表されました!
私たち音小屋大阪のメンバーも、
今年絶対に、楽しいイベントをたくさん企画します\(^o^)/
ご期待ください!





Handmade / WEAVER


Handmade(初回限定盤)(DVD付)Handmade(初回限定盤)(DVD付)
(2013/01/16)
WEAVER

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てづくり ~3人だけど、3人だけじゃない~

WEAVER、待ちに待った4枚目のアルバムである。タイトルは、Handmade、てづくりである。このアルバムは、2012年に全国31カ所で開催したライブハウスツアーや、夏のビルボード東京で開催されたMTV Unpluggedへの出演、秋の学園祭ツアーで得たたくさんの経験や思いを、3人でカタチにした作品である。Handmade、大粒涙が溢れた。

楽曲は全11曲収録、インストゥルメンタル "Performance"から始まる。大切に演奏された一音一音が、Handmadeの物語へと導いてくれるかのようだ。そして始まる、てづくりの世界観。ピアノ、ベース、ドラムの音ひとつひとつにこだわりと工夫が感じられる。また、変拍子や転調、複雑だが心地の良いコーラスもWEAVERらしい。歌詞においても、王道のラブソング、今ニュースで取り上げられるような、繊細な問題を取り扱った楽曲、これが今の彼らだと象徴するような楽曲、今本当に伝えたいメッセージと、彼らなりの愛が詰め込まれている。

このアルバムの初回盤には、特典DVDが付録されているのだが、そのDVDで彼らはHandmadeについてこう語る。
「3人で作り上げたと言っても、3人だけじゃないし。僕ら以外にもスタッフさんやファンのみんなが関わってくれて出来たものだから。」
新たな1ページを刻んだWEAVER。愛の詰まったてづくりの1枚である。一曲一曲噛み締めて、ぜひ聴いてほしい。

written by 桐木啓江(@k__xx)

RADIO CRAZY2012 復習編 ~9mm Parabellum Bullet&the HIATUS~

時間は遅いですが、成人の皆さん、おめでとうございます。
二十歳になっても、ロックキッズでいて下さいね。

RADIO CRAZY復習編は、今日でラストです。
今日は、笑顔が特に印象的だった二バンド!
読んだアナタも、笑顔になりますように。




12月30日 L-STAGE 12:10~
9mm Parabellum Bullet


RADIO CRAZY2日目、あいにくの雨だった。気温は下がり、息の白さも増している。
2日目のチケットはソールドアウトということもあり、初日より人が多い。

タイムテーブルを見ると分かるが、2日目はとにかく休む暇がない人が多かったのではないかと思う。少々眠い目をこすりながら、RADIO CRAZYの2日目はスタート。L-STAGEのトップバッターは、9mm Parabellum Bullet。最初から飛ばす勢いだった。
おなじみの激しいSEに真っ赤の照明の中に、4人が登場した。
Bass.の中村和彦はオーディエンスに向かって深々と頭を下げ、G./Cho.の滝善充は暴れてやると言わんばかりに飛び跳ねている。Dr.のかみじょうちひろは、すました顔でドラムセットに乗り込み、G./Vo.の菅原卓郎は紳士のようなお辞儀をして、ギターを手に取った。

 何の曲がはじまるかと耳をすますと、イントロが急ピッチで鳴り始めた。なんと、いつもならラストに演奏する定番曲“Punishment”からはじまったのだ。準備体操もなしにプールに入るかのようだったが、オーディエンスは頭から大騒ぎだった。なんとも9mmが考えそうなことである。その後、“ハートに火をつけて”で、オーディエンスを大いに湧かせ、フェスの鉄板曲とも言える“Vampiregirl”で完全に会場を巻き込んだ。
 
 雨と寒さに耐えながら開場を待っているファンの姿を見たのだろうか。菅原が「こんな寒くて雨の降る中、ありがとう。お礼といってはなんだけど、新曲をプレゼントします」と言い、新曲を演奏した。どっしりとして、力強い曲。9mmの新境地をみたような、そんな曲だった。オーディエンスは耳に残るように、ただただ聴いていた。

静寂の中、菅原が一言「叫ぼうぜ!」と叫ぶと、会場の空気は一瞬にして変わった。“Scream For The Future”。さっきまでのオーディエンスの静けさが嘘のようだった。そしてテンションが上がったと思えば、次には“The World”を演奏するものだから、また黙って聴き惚れてしまうのである。“Living Dying Message”、“Black Market Blues”と、終わりが近づくにつれ、盛り上がりはどんどん加速を見せていた。“新しい光”ではサビの部分で大合唱がはじまり、菅原の顔が思わずほころぶ。これまでにリリースしたシングルがオーディエンスに浸透しているのを、確かに感じていたのだろう。そしてラストは、“The Revolutionary”。この曲でも大合唱がはじまり、菅原が笑う。踊り狂い、暴れ、そして滝のギターテクに唖然とするオーディエンスもいた。冷えきった身体は更に熱くなり、テンションが最高潮に達したところで、終わりを迎えた。

『今日の9mmは振り回すなあ』そんな印象だった。頭からテンションがあがったかと思えば、黙らせたり、誘われたり、沈んだり、明るくなったり・・・。まるで、9mm Parabellum Bulletを表現していたようだった。そして、激しく、重い曲を演奏しているにも関わらず、会場は笑顔で埋まっていた。ステージから見ると、幸せなシーンだっただろう。菅原も心から楽しんでいた。

今年、9mm Parabellum Bulletは『9』周年。彼らは一体、どんなactをするのだろうか。


【SET LIST】

M1.Punishment
M2.ハートに火をつけて
M3.Vampiregirl
M4.新曲
M5.Scream For The Future
M6.The World
M7.Living Dying Message
M8.Black Market Blues
M9.新しい光
M10.The Revolutionary

Texy By 原 なつの(@natsu_notty)





12月30日 L-STAGE
the HIATUS



RADIO CRAZY2日目。一発目の9mm、BIGMAMAから飛ばしに飛ばしまくったタイムテーブルで客席では座り込む人もちらほら。疲れはピークだ。そんなステージに現れたのはアコギを持った細美武士。そして歌い始めたのはThe Beatlesの“Let it Be”。客席から歓声が沸きあがる。そしてサウンドチェックを終えたあと、再び細美が登場。「セッティングの間待たせるのは申し訳ないからもう1曲歌います。何がいい?」と一言。観客から様々なリクエストが挙がる中歌い始めたのはweezerの“My Name Is Jonas”。「いい暇つぶしになった?」と笑いながらステージを後にした。先ほどの疲れた姿はどこへやら。ライブが始まる前から最高の暇つぶしをプレゼントされ、オーディエンスのテンションもみるみる上がっていった。

ライブは、本当に素晴らしかった。これ以上の言葉が見つからない。破壊的でありながら美しく、感動的で圧倒的で。ハイエイタスのメンバー1人1人の巧みな演奏と細美武士の声が広い会場をあっという間に自分たちの世界へ引き込んでいた。そして何よりスクリーンに映される細美の笑顔が、今まで見た中でとてつもなく輝いていた。また、この日はキーボードの堀江博久が離脱し、伊澤一葉が加わった新体制一発目のライブであった。メンバーもファンも特別な気持ちだっただろう。

本編は、“Deerhounds”からスタート。心地よいアコギの音が会場に響き渡ると歓声が上がる。続けて、“Silver Birch。鮮やかなピアノの旋律に乗せ、細美が自分やオーディエンスに手を向け必死に歌い上げた。かと思えば、“Superblock”“Bittersweet / Hatching Mayflies”では、異様な世界へと導かれたような、思わず息をのむ演奏で会場を包み込んだ。 

MCでは、細美は無邪気に笑い、「すげえ楽しい!」を繰り返す。また、客席を指さして「あそこにパンダがいるよ!!!すげえ!君、男?女?」など客席イジリをする場面も。その言葉1つ1つが本当に楽しそうだ。どんな演奏の後でも常にありのままで、いつだって観客と真正面に素の姿で向き合っている。これが細美武士が多くのファンから愛される理由なのだと感じた。また、こんなことも言っていた。

「みんな、去年よりはいい1年になったんじゃない?なんかさ、政治とか原発とか、悪いところは分かってるんだよね。でもどうしていいかわかんない!俺は頭が悪いから。でも、俺なりに今どうするべきなのか考えたんだ。で、考えた結果、今の俺らにはパーティーが足りない!って思ったんだ。パーティーが、心から楽しむことが足りてない奴に、いざってときに重いものって持ち上げられないと思うんだ。」

心から楽しむこと、この一瞬もしっかり楽しんで!という細美からのメッセージだったのかもしれない。
そして始まったのは。“Insomnia”。ライブの定番曲ではあるが、さらにアレンジが加えられ、輝きを増していた。特にピアノの音色がさらに美しさを際立たせていた。細美の素直で真っ直ぐな言葉の後の、美しく、幻想的な音色に感極まって涙が止まらなかった。
そして畳み掛けるように“紺碧の夜に”、“ベテルギウスの灯”が続く。
“ベテルギウスの灯”では〈あの草原で~♪〉の大合唱。演奏がすべてストップし、オーディエンスの大合唱が響き渡る。メンバーの笑顔と、会場を包み込む大合唱。いかにこの曲が、ハイエイタスというバンドが、多くの人に聴かれ、愛されているかが分かる。

そして“Souls”、最後は最新アルバムのラストである“On Your Way Home”で締めくくられた。ラストに相応しい壮大な1曲を会場は心に刻むように聞き入いっていた。
今日、来てよかった。ハイエイタスに出会えて、この目で見ることができて本当に良かった。本気でそう思える、実に素晴らしいアクトだった。

1.Deerhounds
2.Silver Birch
3.Superblock
4.Bittersweet / Hatching Mayflies
5.Insomnia
6.紺碧の夜に
7.ベテルギウスの灯
8.Souls
9.On Your Way Home
 
Text by 石川瑞萌(@sigre999)





いかがでしたでしょうか。RADIO CRAZY 復習編。
本日でラストということで、復習編は終わりますが、
あの時の、あのバンドの、あのパフォーマンス、
一生心に残るものだと思います。
改めまして、楽しんだ皆様、お疲れ様でした。

拙いレポでお送りしましたが、読んで下さった皆様には感謝!
一人でも多くの人があの時の興奮を思い出し、ニヤニヤして頂ければ幸いでございます。
本当にありがとうございました。

2013年も、大阪音小屋をよろしくお願いします!

おやすみなさい☆




RADIO CRAZY2012・復習編~androp&the telephones~

RADIO CRAZY2012復習編、第三弾!!
今回はandropとthe telephonesです。




12月29日 L-STAGE 12;15~
androp


ついにこの瞬間がやってきた。 関西のロックキッズ達が待ちわびてやまなかった音楽の大忘年会、RADIO CRAZYの開幕である。 2012年に起きた、苦しいことや辛いことをロックンロールにぶつけ、蒸発させることのできる夢のような二日間の始まりだ。 そんな一年を締めくくるお祭りのトップバッターを今回務めたのが androp である。


午後12時10分。 定刻通りにステージが暗転すると、既にキッズ達のボルテージは最高潮。 それはこれから訪れるであろう至福に対する期待とRADIO CRAZYというフェスに対する信頼からくる高揚感。まだメンバーも登場していないのに、前方エリアは凄まじい熱気に包まれている。



ほどなくしてメンバー登場。
四人で軽くセッションした後、ボーカルの内澤崇人が「どうも、andropです! “Boohoo” という曲を聴いてください!」 と一言。
イントロのトリッキーなベースラインが奏でられるとオーディエンスは一斉に体を揺らす。
この一曲でオーディエンスを完全にフェスモードへと連れて行く。
息つく暇もなく、疾走感MAXの楽曲“AM0:40”へとなだれ込む。 その後も彼らのライブの定番曲“ShowWindow” さらには12月にリリースしたばかりのアルバムから“Message”と怒涛のアッパーチューンを投下。
攻めのセットリストで大阪に集結したロックキッズを絶頂へと誘う。



メンバー、オーディエンスともに汗だくになったところで一息。
そして「こないだでたアルバムから新曲やります。“Rainbows” という曲です。」と内澤。
この“Rainbows”が圧巻だった。 これまで演奏してきた四曲とは一線を画すミディアムナンバー。
内澤のどこまでも瑞々しい歌声が会場中を癒していく。 それまでのandropが 動 だとすれば、この曲では 静 だ。 初めて彼らのパフォーマンスを見る人にも、andropの二面性を提示していく。


会場中がじんわりとしたムードになったと思いきや、すぐさま 動 のandropへとシフト。
ここ近年の彼らのライブでは欠かせない存在となった “Roots” さらには “Bell” といったキラーチューンが瞬く間にステージを駆け抜ける。


楽しい時間も束の間だ。「次で最後の曲です!」という内澤に対し、オーディエンスは渾身の「えーーっ!」
で対抗。しかし パンッ、パン、パンッ♪ とあの曲のイントロが流れると 「えーーっ!」 という声が 「うぉーっっ!」 という歓声に変わる。
そう、今回のステージの最後を締めくくるのはandropの名をロックシーンに轟かすことになったアンセム “MirrorDance” だ。
そこには、歌い、踊り、跳ねるオーディエンスの姿があった。
まさに大団円。 メンバーもオーディエンスも笑顔で溢れかえった最高のフィナーレだった。



二日間に渡る、音楽の祭典のトップバッターという大役を果たしたandrop。
これから日本を代表するライブバンドに成長する為の、確かな証を師走の大阪に刻み込んだ。



<セットリスト>
M1.Boohoo
M2.AM0:40
M3.ShowWindow
M4.Message
M5.Rainbows
M6.Roots
M7.Bell
M8.MirrorDance 

Text by肥塚雅裕(@honjuras)





1230 R-STAGE 21;00~
the telephones


二日間に及ぶロックの大忘年会も残すはあと一組。数多くの感動が生まれた会場は高揚しきっており、その熱さはもう既にメーターを振り切っている。その証拠に、リハ中でもミラーボールが回る度、歓声があがっていた。またオーディエンスのなかには、遊園地で見かけるようなパンダの着ぐるみを身にまとった者や、頭はキツネ、身体は人間という、どこかで見たような謎の生命体がいた。登場するや否や、撮影会が始まったのは言うまでもない。会場にいる皆が「誰よりも、この時間を楽しんでやる」という気持ちを抱いていただろうが、その斜め上をいく姿が面白くて笑えた。年の終わりに本気で遊べるなんて、本当に幸せなことである。

開演を今か今かと待ち構えるロックキッズがフライングスタートしそうになっていると、ついにその時がやってきた。ミラーボールの輝きとともに、アフロを被ったメンバーが登場。石毛(Vo/G/SYN)が「レディオクレイジー!踊る気満々だろ?」とハイトーンボイスで叫び、オーディエンスの歓声が爆発した。そして“I Hate DISCOOOOOOO!!!”のイントロで瞬時にフロアはディスコと化し、続く“sick rocks”でさらにヒートアップ。テンション、熱気、笑顔、何もかもとっくに限界を超えていて、クレイジーな世界へと突入していた。

次の“A.B.C.DISCO”ではポップなメロディーに合わせて左右に手を振り、“A A U U O O O”では皆、両手で「A」「U」「O」を作りパフォーマンスに応えた。さらに“Urban Disco”では〈I am DISCO!!!〉がひとつの爆音となって響いていた。この一体感をもってして、最高のフィナーレを迎えないわけがなかった。「頭空っぽにしてサルのように踊ろうぜ」と放たれた“Monkey Discooooooo”では特大サークルができ、〈1,2,3,4,3,2,1〉の合図でモッシュへ。次の“Odoru~朝が来ても~”にかけて、最終的には100人規模の巨大サークルができていた。全身に収まりきらない幸福を感じながら、本編が終演。「フェスもいいけど、ライブハウスで会いましょう」という言葉を残し、メンバーはステージを去っていった。

しかし数秒も経たないうちに、アンコールならぬ、ディスココールが沸く。メンバーが再登場し、2012年踊り納めは“Love & DISCO”となった。究極のピースフルが綴られたこの曲に再び熱狂の渦ができ、終わるころには会場全体にあるエネルギーが満ち溢れていた。それは「世界を変えられるんじゃないか」と本気で思ってしまうほど、強くたくましく、そしてミラーボールのようにキラキラと光り輝く力である。単純に音楽を聴くというレベルを超えた、音楽と人による化学反応がとても美しく、その可能性を改めて実感させられた。

初出演で大トリという大役を任されたthe telephones。期待を裏切らないパフォーマンスでもって、全身全霊の素晴らしいライブを作り出した。2013年もディスコを合言葉にして、私達をワクワクさせてくれるに違いない。

<セットリスト>
M1.I Hate DISCOOOOOOO!!!
M2.sick rocks
M3.A.B.C.DISCO
M4.HABANERO
M5.A A U U O O O
M6.Urban Disco
M7.Monkey Discooooooo
M8.Odoru~朝が来ても~
EN.Love & DISCO


Text by 杉村利江(@__youth)





最後まで読んでいただきありがとうございます!
あの熱狂を思い出していただけたでしょうか?
当日行けなかった方も、楽しさを感じていただけたでしょうか?

復習編は次回でラストです。
どのアーティストのレポートなのか、お楽しみにしていてください!!

THE BAWDIES「4th album『1-2-3』完成記念 新春先行視聴会」 @umeda AKASO

THE BAWDIES「4th album『1-2-3』完成記念 新春先行視聴会」
@umeda AKASO 2012/01/07


 1月16日に約2年ぶりにニューアルバム『1-2-3』をリリースするTHE BAWDIES。その先行視聴会が東京・大阪で行われた。
 大阪会場はumeda AKASO。入場してすぐ聞こえてきたのは、彼らが愛してやまないロックンロールだった。ステージに目をやると、ROYとTAXMANによるDJタイムが始まっていた。TAXMANは大好きなビール片手に、ROYはもうそれは少年のような笑顔で体を揺らしていた。
 そして、DJタイムが終わり、「またあとで」とステージを去る2人。FM802のDJ・西田新の進行の元、メンバーが登場。屋内なのにアウターを羽織って現れたJIMに対して、ROYが「ステージにアウターはないでしょ!」とツっこむと、「体が芯から冷えてて・・・」との答えが。そんなROYは先ほどのDJタイムで汗をかいたとシャツを着替えていた。ステージに用意されたイスに腰掛け、メンバーもリラックス状態。今回のアルバムは全11曲収録、これを4つのパートに分けて、1パート終わるごとに1曲1曲メンバーの解説が入るというなんとも豪華な視聴会である。ROYにやいやい言われながらも、MARCYがアルバムの再生ボタンを押して、いよいよ視聴会がスタートした。
 今回レコーディングにかかった時間は約1年。これほどまでに時間をかけたアルバムはこれが初めてだという。その間にTHE SONICSとの対バンツアー、ドラマ主題歌初起用も経験した。この1年が充実したものであったことが、ガツンとダイレクトに響いてくる仕上がりになっている。メンバーは「外側に開けていったアルバムだ」と語った。「自分たちは決して懐古主義ではない、今鳴らせる最高のロックンロールを鳴らしたい」と。曲の詳細については、後日、アルバム発売後にここで聞けた制作秘話、曲に込められた思いなどを併せてはじっくり時間をかけて書かせていただこう。しかし、軽く触れるとしたら、特に印象に残った楽曲は以下の通りだ。ピアノを用いた“DANCE THE NIGHT AWAY”、MARCY曰く「まるで触れるような質感の音」を感じ取れるドラムソロを含んだ“LONELY MAN”、JIM作曲でROYの優しい声に注目(JIM談)の“SHA LA LA”、TAXMAN作詞作曲の“TAKE A CHANCE”はコーラスも美しい。今回のアルバムの初回限定盤には、通常版には収録されていない“1-2-3”という曲が収録される。曲作りからミキシング作業まで、すべて1日で終える、つまりたった1日でひとつの曲を私たちが聞ける状態まで作りあげたというのだ。初期衝動を大切にして、出来立てほやほやの曲を聴くことができる。また、ステレオ録音で収録されているため、そのままの音がずしんと響いてくる。その制作風景もドキュメンタリー映像としておさめられている。
 時間が進むにつれて、お互いを亮くん、キムちゃんなどと本名で呼び合い、「ここはステージだよ(笑)」とツッこむ姿や、お互いを褒め合ったり、ちょっかいを出しあう姿が見られ、メンバーの中の良さに思わず頬がゆるんだ。会場も笑いがしょっちゅうおこっていた。また、TAXMANがカメラを首に下げていて、そのカメラで写真を撮る姿も見られた。そしてこの日、アルバム最後の曲で、すでにライブでは披露されている“SING YOUR SONG”のミュージックビデオも視聴することができた。ROYが「無重力をテーマにしたPVです」と説明すると、「無重力じゃなくて、重力がいろんなところにあるんだ」とTAXMANから厳しいご指摘が入る。そのミュージックビデオがこれだ。1月10日からYouTubeで公開されている。



 そして全ての曲の視聴が終了し、メンバーひとりひとりが今日の感想を述べる。「アルバムを聴いたお客さんの反応を、直接見る機会なんてないから勉強になった」、「楽しかった」という声がきけた。今回、あまり発言しなかったMARCYは、「今の気持ちをここでツイートしろ」との指示を受け、他のメンバーが感想を話している間にステージ上でツイート。最後は、THE BAWDIES恒例の「わっしょい!」で〆たのだが、今回はスタンドマイクがなかったため、JIMとROYがマイクをTAXMANに向けるが、ここでまたわざとマイクを口にぶつけてみたりと、すんなりことが進まない。もうとにかくすぐじゃれる、小学生かとつっこみたくもなった。しかし、こんな彼らも楽器を持つと本当にいつも全力で、汗だくで、熱くて、ソウルフルで、女の私は男の子っていいなあとうらやましくもなるのだった。終始アットホームな雰囲気だったこのイベント、最高に素晴らしい時間を過ごすことができた。このアルバムのリリースももう来週に迫っている。ぜひ、手に取って感じてほしい、新しいTHE BAWDIESを。

Text by 泉井 麻由 (twitter @ijui_mayu)

RADIO CRAZY2012・復習編~くるり&THE BAWDIES~

こんばんは。
年が明けてから、もう12日も経ってます。早いですね。
・・・ということは、RADIO CRAZYが終わってから約二週間。
“まだまだ思い出にしたくない!”というアナタへ。
今日は初日のトリを飾った二組のアーティスト、
くるりとTHE BAWDIESのレポです!
サタデーナイトのお供にどうぞお読みください♪(笑)




12月29日 L-STAGE 20:40~
THE BAWDIES


 まず、このレポートを読む前にこの記事も読んで欲しい。
この予習編なしでは、RADIO CRAZYのTHE BAWDIESを語れないからだ。

 朝、RADIO CRAZYの入場列に並んだことが懐かしいと思うほど、それはそれは濃い時間を過ごしていた。気付けば夜だ。そして、初日最後のL-STAGEだ。
THE BAWDIES。予習編にも書いてあった通り、彼らにとって2012年は貴重な年だっただろう。その貴重な年を締めくくる彼らのパフォーマンスは、今までのTHE BAWDIESをダイジェストにしたようなステージだった。

 一曲目は、アグレッシブな曲調の“EMOTION POTION”。大きな手拍子が起きる。ROY(Vo./B.)は、たっぷりと、そして時々ためるように歌っていた。ROYがシャウトすると、オーディエンスからは「フゥー!」とか「イェー!」とか、そういった煽りが聞こえてくる。まさにロックンロールだ。憧れのバンドと対バンし、自分たちのルーツをつきつめて出来上がった曲、“ROCK ME BABY”、“JUST BE COOL”とシングルナンバーをかき鳴らす。TAXMAN(G./Cho.)が「僕も歌っていいですかー!!」と叫ぶと、TAXMANがヴォーカルをつとめる“B.P.B”がはじまった。サビの絶妙なタイミングでオーディエンスが「フゥー」と言いながらジャンプする。おなじみの合いの手である。

 「MARCY(Dr./Cho.)はインタビューで全く喋らない。突然話を振られて、こいつなんて言ったと思いますか?・・・『毎日がHOT!(ホッ)』って」とMCで力説するROYに、会場は大爆笑。2013年1月16日にニューアルバムをリリースすることを告知し、その中から“SING YOUR SONG”を披露。これまたR&B色の濃い曲で、ロックンロールの原点を強く意識したようだった。新曲を披露し、向井理とのコラボで話題になった最新シングル“LEMONADE”を演奏した後、ROYは一言。「俺が言いたいのはこれだけだ。年末に胃もたれしやがれ!HOT DOGカモン!」。ハイテンションなナンバー、“HOT DOG”。オーディエンスのテンションが最高潮になったところで“IT’S TOO LATE”。ROYのシャウトがいっそう強くなる。そして、本編ラストの曲“YOU GOTTA DANCE”へ。うねるようなサウンドで「僕が合図をしたらジャンプして下さいよ、いいですか!」と呼びかけ、それに応えるオーディエンス。会場が揺れている。

すぐにアンコールの手拍子があり、4人が再登場した。ROYは、「ロックンロールとは、ここにあるものが(といって胸を叩く)ドン、ドン、ドン、ドンと前に出て、それを感情に出したのがロックンロールですよ違いますか皆さん?!」とオーディエンスを煽り、「MARCYは、『ウォー』ってなることないですか?!」と話を振る。MARCYは「…あるけど、お前のとはまた種類が違う」と淡々と返し、「それはしょーがねーな」とROY。気を取り直し、ハッピーなナンバー“EVERYDAY’S A NEW DAY”。心地よく身体を揺らした後は、“KEEP ON ROCKIN’”。最後の力を振り絞るようなアッパーチューン。ROYとオーディエンスのコール&レスポンスでは、毎回オーディエンスにダメ出しをするこの曲。当然ながら今回もROYからのダメ出しがあった。「ダメダメ!あーあ、そうですか、皆さん今年の思い出はそんなもんですか・・・」と呆れ、「もっともっと、今年あった嬉しかったこと楽しかったこと、全部僕に投げつけて下さい!」と煽る。思い出らしきものを投げつけるオーディエンスを見て、「痛っ!眩しいっ!」と返すROYには、思わず笑ってしまった。

 全員が腰を振り、腕を振り、自由気ままに踊った後、メンバーから重大な発表があった。
それは、ニューアルバムを引っさげて行われるツアーのファイナル公演が、なんとここ大阪、それも大阪城ホールで行われるというのだ。そしてもう一つは、RADIO CRAZYの主催であるラジオ局、FM802でレギュラー番組がはじまるという告知だった。会場は驚きに満ち、歓喜に溢れていた。まさに、フライングお年玉である。
恒例のTAXMANによる「わっしょい」の掛け声もあった。『「わっしょい」とは「輪」を「背負う」から、「わっしょい」なんだよ』とTAXMAN。それを聞いてROYにおんぶをしてもらおうとするJIM(最終的に転ぶのだが…)。最後まで仲の良さがステージに滲み出ていた。

 THE BAWDIESが登場してきた瞬間、隣にいた女の子が突然泣き出した。彼女は、「初めて生で見れて嬉しい」と感極まっていたのだ。それほど彼らはスターになってきた証なのだろう。彼らは、ロックンロールやR&Bの素晴らしさや楽しさを、常にリスナーと共有してきた。今年はどんなTHE BAWDIESを見せてくれるのだろうか。2013年も目が離せない。

【SET LIST】
M1.EMOION POTION(アルバム『THIS IS MY STORY』より)
M2.ROCK ME BABY
M3.JUST BE COOL
M4.B.P.B(アルバム『THERE'S NO TURNING BACK』より)
M5.LEMONADE
M6.SING YOUR SONG (2013/01/16発売 アルバム『1-2-3』より)
M7.HOT DOG
M8.IT’S TOO LATE
M9.YOU GOTTA DANCE(アルバム『THIS IS MY STORY』より)
en1.EVERYDAY’S A NEW DAY(アルバム『THIS IS MY STORY』 より)
en2.KEEP ON ROCKIN’(アルバム『THIS IS MY STORY』より)



Text by 原 なつの(@natu_notty)







12月29日 R-STAGE 20:55~
くるり


 良いライブだなあと、しみじみと思った。野暮で月並みな表現だが、本当に「幸せ」な余韻に浸らせてくれるバンドだ。2012年、彼らは、新メンバー加入後初のアルバム、『坩堝の電圧』をリリースした。音の厚みも表現力も格段に豊かになったくるりは、夜のR-STAGEでトリにふさわしいパフォーマンスを見せてくれた。

 イントロとともに歓声が上がり、オーディエンスたちが瞬時にゴキゲンになった1曲目は、“everybody feels the same”。2012年のくるりを代表する曲で、ライブは幕を開けた。高らかに吹き鳴らされたファンファン(Tp)のトランペットが、気持ちよく突き抜けていった。サビでは合唱が起こり、観客たちの腕が左右に動かされ、大きな波が出来上がった。あの瞬間、誰しもが同じハッピーな気持ちを共有していたのだろう。“ロックンロール”、“ばらの花”と名曲が続き、温かい拍手がメンバーに贈られた。愛に溢れた、心地の良い時間が流れていく。

 照明が一旦暗くなると、メンバーたちが楽器のボディをトントンと叩き、メロディとも付かない「音」を、ぼむぼむと低く鳴らし始めた。「一体何の曲が始まるのか」と、辺りがざわざわとし始める。すると、岸田繁(Vo&G)が、叫ぶように歌いはじめた。“街”だ。ステージ横の大きなスクリーンには、彼の汗まみれの顔が画面いっぱいに映し出される。身体全体を震わせて熱唱する姿は、さっきまで優しく“ばらの花”を歌い上げていたのと同一人物だとは思わせない迫力だった。バキッとエンドを決め、そのままの勢いで“chilipepper japones”を繰り出すと、熱は最高潮に達した。詰め込まれたリリックを勢いに任せて放ち、「ペッパー」の輪唱の部分では、ハンドマイクの岸田がメンバーを順番に指さし楽しそうに指揮を取っていた。

 曲が終わると、「みんなここまで何で来たん?」と岸田はオーディエンスに話しかける。「車〜!」という声に、「車!? 生意気やな!」と返し、あちこちから笑いが起きた。また、失くしたと思っていた好物の大国寺納豆が、大掃除の際に引き出しから出てきたという珍エピソードも飛び出た。

 「それでは、懐かしい曲をやります」と岸田が言うと、低い電子音が鳴り、“WORLD’S END SUPERNOVA”が始まった。サプライズのような選曲に、驚きを隠せない声が上がった。「DO BE DO BE DA DA DO」という歌詞に会場が酔いしれ、ダンスの波が起こった。続いて、ライブ定番曲の“ワンダーフォーゲル”で飛び跳ね、「今年も色々あったけど、やっぱロックが好きやな」話し、壮大な“glory days”へ。東日本大震災で立ち止まってしまった2011年。再生に向けて進まなければいけなかった2012年。「進め/進め」とゆっくり、それでも力強く歌われる歌詞が、場内で一段と大きく響き渡った。

 アンコールの拍手に迎えられ、一度袖に帰っていったメンバーが戻ってくると、マイクの前に立つなり「みんなBAWDIES(同じ時間のL-STAGEでは、THE BAWDIESがライブをしていた)見ぃひんでええの?」と岸田が尋ね、これにも笑いが起こる。「くるりがいい〜!」という観客の声に、「ほんまか、ありがとう〜」と京都弁で答える彼は最高にキュート(これは褒め言葉だ)だった。「泊まるとこはあるけど、“宿はなし”」と、笑顔でアンコールに応えた。

 1月17日には、昨年11月から始まったワンマンライブツアーの特別公演として、「くるりワンマンライブツアー2012/13 特別公演〜国民の成長が第一〜」が武道館で開催される。すでに追加チケットも発売されている。ワンマンに行きそびれた人、RADIO CRAZYで彼らが気になった人は、是非この機会を逃さないでほしい。

<セットリスト>
M1.everybody feels the same
M2.ロックンロール
M3.ばらの花
M4.街
M5.chilipepper japones
M6.WORLD’S END SUPERNOVA
M7.ワンダーフォーゲル
M8.glory days
EN.宿はなし


Text by清水夏海(@Spmpm72





トリのアーティストを見終えた時の幸福感、思い出しましたか?
クロークも電車も混んでしまいますが、あの帰り道の余韻はなんとも言えませんよね。
明日はどのアーティストのレポートがあがるのでしょう・・・乞うご期待!です!!
最後まで読んで頂きありがとうございました(*^^*)

RADIO CRAZY2012・復習編〜Base Ball Bear&クリープハイプ〜

さて、今日から新企画、『RADIO CRAZY2012・復習編』が始まります。

その名の通り、昨年12月29、30日とインテックス大阪で行われたロックフェスティバル、RADIO CRAZYのライブレポートを数日間に渡ってお送りします!

本日は、Base Ball Bearとクリープハイプの二組のレポートです。
それではどうぞ!






12月29日 R-STAGE 17:25〜
Base Ball Bear



 「楽しかったー!」の一言に尽きる。Base Ball Bearのライブは、いつでもそうだ。メンバーがはけていったあとのR-STAGEは、観客たちの弾けた笑顔に溢れ、心地の良い熱気が周りを覆っていた。
 彼らの出番の17時25分よりも、少し前のリハーサルの時間のことだ。スタッフたちが舞台上をチェックしている最中に、照明がパッと一瞬だけ強い光を放った。その眩しさに目をしかめていると、ステージの上にメンバー4人の姿が! その突然さにオーディエンスは思わず歓声を上げ、彼らもなんだか楽しそうな表情を見せた。それぞれが楽器を手に取り“short hair”を少しだけ演奏すると、「以上、リハでした!」と小出祐介(Vo&G)が言い放ち、腕と足を大げさに動かす変な走り方で袖へ去っていった。これには場内からも笑いが沸き、早くも和やかなムードが辺りに漂った。
 しかし本編では、そのリハの空気も熱い熱いものへと瞬時に変化した。「大阪ぁあああーーー!」という小出のシャウトとともに始まったのは、彼らの楽曲で最もフェスにふさわしいであろう、“祭りのあと”。日本的な匂いを醸し出すギターに合わせ掛け声や手拍子が鳴り響き、まだ始まったばかりとは思えないパワーが充満した。続く“changes”で加速すると、「年末にお集まりいただいた、すべての非リア充の方々へ捧げます」と小出がアナウンスし、即座に観客からレスポンスが。ヒャダインこと前山田健一と競作し、昨年の7月にリリースしたミニアルバム『初恋』に収録された楽曲で、早くもライブの定番となりつつある、“ぼくらのfrai awei”が飛び出した。
 2012年を振り返るMCでは、関根史織(Ba)が結婚したこと、湯浅将平(G)が行きつけの美容院のお姉さんから好意を持たれているらしいこと、そして堀之内大介(Dr)がタラちゃんのものまねを習得したことを、小出が笑いを交えながら話した。
 緩まった空気の中、思い出したように「新曲やります」と、今年2月13日に発売の新曲、“PERFECT BLUE”を披露。照明の青色が映える、爽やか且つ疾走感たっぷりの、まさに彼らの王道的なギターロック・ナンバーだった。後半は怒涛の盛り上がりを見せ、“青い春.虚無”では、ダンス湯浅将平(彼が、曲に合わせてオリジナルの踊りを披露する、定番のパフォーマンス)が炸裂し、「将平コール」が天井高く響き渡った。間奏では、関根のクールなベースソロが大きな歓声を呼んでいた。ラストはインディーズ時代の曲である“CRAZY FOR YOUの季節”を演奏し、場内は大合唱の声で大きく震えた。新旧譜、シングル曲、アルバム曲関係なく盛り込まれたカラフルなセットリストに、初めてライブを見た人も、ワンマンの常連者もお腹がいっぱいになったに違いない。
 今年は、ニューシングルと同日にバンド初のベストアルバムもリリースする。すでにアルバムのアートワークも発表されており、ジャケットには何やら仕掛けが施されているとのこと。是非、実物を手に取って自分の目で見てほしい。
 常に「あたらしい、たのしい音楽」を追求し、レベルアップし続ける彼ら。今年はどんなものを見せてくれるのだろう。4月の大阪・なんばHatchからスタートするツアーも、楽しみで仕方がない。


<セットリスト>
M1.祭りのあと
M2.changes
M3.ぼくらのfrai awei
M4. PERFECT BLUE(新曲)
M5. Tabibito In The Dark
M6.青い春.虚無
M7.CRAZY FOR YOUの季節


Text by清水夏海(@Spmpm72)







12月30日 FM802 THE HOTTEST ROCK OF 2013 19:15〜
クリープハイプ



 12月30日RADIO CRAZY 2012・2日目、今年新しく設けられたステージ、FM802 THE HOTTEST ROCK OF 2013にクリープハイプの姿はあった。
 サウンドチェックは“ABCDC”でおこなわれ、会場はその時点ですでに盛り上がりを見せていた。そして、ついにライブが始まる。11月のワンマンツアーに行けなかった私にとって、本当に心待ちにしていた瞬間だった。クリープハイプを代表する楽曲といっても過言ではない“HE IS MINE”。彼らは今回、これをライブの序盤にもってきた。曲の終盤に<今度会ったら>とボーカル・尾崎世界観が歌うと、続けて、オーディエンス<SEXしよう!>と答えるのがお決まりの曲だ。普段なら、大声で叫ぶどころか口に出すのも恥ずかしい言葉だが、あえてそんな言葉をわざわざ大声で叫ぶことが気持ちいい。クリープハイプはこの曲のみ知っている、なんて人も多いことだろう。それだけ有名かつ人気のある曲だけに、フェスやイベントでは終盤にもってくることが多かった。それゆえに、この曲をこんなに早いタイミングで聞くことになるとは思いもよらず、驚いたファンも多かっただろう。尾崎自身も「これだけ聞いて、すぐ帰るなよ」と笑いながら一言。「今年はこの曲にお世話になりました」とメジャー1stアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』のリード曲“オレンジ”や、1stシングル“おやすみ泣き声、さよなら歌姫”、“手と手”、“愛の標識”など比較的新しめの楽曲から、“イノチミジカシコイセヨオトメ”、“ウワノソラ”、アンコールでは“左耳”など、メジャーデビュー以前に作られた楽曲も披露した。
 アンコールでは新曲を披露したいというクリープハイプに対して、マネージャーからの答えはNG。そして、尾崎に先導されるがまま、「クリープハイプのマネージャーは?」、「クソ野郎~!」とコールアンドレスポンス。その後も、ドラム小泉拓に向けても「クソ野郎~!」と叫ぶといった流れもあった。尾崎曰く、真性のクズ野郎はギター・小川幸慈とのこと。「どの曲が聞きたい?」とオーディエンスに問う姿も見られ、「左耳!」との声に、「よく知ってるね」と返答。正直、彼らは自分たちの人気をまだ自覚していないのかと疑問を抱く瞬間がある。同年に開催されたROCKS TOKYO、SWEET LOVE SHOWERでも、「ステージ間違ってない?」、「これからあっちのステージでは○○さんだよ?」などの発言を耳にしてきた。しかし、変わったことがあるのだ。今回、クリープハイプが立ったステージは、新人バンドが主に登場するRADIO CRAZY会場内で一番小さなステージで、そんな場所に2日目のトリとして登場した。そして、尾崎はこう言い放った、「RADIO CRAZYのメインステージの大トリのクリープハイプです」。ここがメインステージではないということは念のため補足しておくが、この発言から自信が確かに感じ取れる。“HE IS MINE”を序盤に持ってきたということにしても、そうだ。もちろん自信満々というわけではないのだろう、まだ自分たちの人気や実力に半信半疑でもある、しかし確実に彼らはファンの熱を受け止め、自信に繋げていっている。そして実際、ここはメインステージじゃないだなんて否定するのには、少し惜しいくらい多くのオーディエンスを集めた。とはいえ、自信満々のクリープハイプは、それはそれでなんだか違和感もある。ひねくれていて、少し後ろ向きで、そんな姿に共感を覚える私たちがいるからだ。しかし、ファンの熱を受けて止めてくれたようで、なんだか嬉しくなるのも事実だ。これからのクリープハイプがそう成長していくのか、ワクワクしてたまらないのだ。
 アンコール後も鳴り止まない拍手に、ベース・長谷川カオナシが再びステージに現れ、「今日はみんな疲れたので、これで終わりです。気をつけて帰ってください。ありがとうございました。」と一言残して帰って行った。あんなに激しかったライブも、クリープハイプにとって怒涛の1年だったであろう2012年も、最後はほっこり暖かい雰囲気で幕を閉じたのだった。


<セットリスト>
M1.ウワノソラ
M2.HE IS MINE
M3.オレンジ
M4.おやすみ泣き声、さよなら歌姫
M5.イノチミジカシコイセヨオトメ
M6.手と手
M7.愛の標識
EN.左耳


Text by 泉井真由(@ijui_mayu






明日はどのアーティストが登場するのでしょうか?
お見逃しなく\(^o^)/



【ライブレポ】Mash A&R〜Mash Fight vol.1〜



2012年12月26日、東京の渋谷WWWにてMUSICA、A-Sketch、SPACE SHOWER TV、HIPLAND MUSICの4社がタッグを組み大規模なオーディションが行われた。Mash A&R~Mash Fight vol.1〜である。
ファイナリストには、7組が選ばれた。高校生ながら、大人びた巧みなパフォーマンスのLedy Joe。独特の世界観にリスナーを引き込むオモイメグラス。キュートなルックスに完成された弾き語り、キタオユカ。良い意味での場末感、思わずうなずいてしまう歌詞で存在感のあるアカシック。ラブバラードで心のあたたまる音楽を"伝える"PURPLE HUMPTY。そして、グランプリのThe Oral Cigarettes、審査員特別賞のフレデリックである。
素晴らしい、心躍るオーディション…いや、ライブであった。はるばる奈良から一般審査員として参加した、杉村(@__youth)がフレデリック、桐木(@k__xx)がThe Oral Cigarettesを紹介します。






【フレデリック】

ファイナリストのレベルが予想外に素晴らしかったため、急きょ作られた特別賞。これには関西を中心に活動する4ピースバンド、フレデリックが選ばれた。審査員に「賞をあげないわけにいかなかった」と言わしめた彼らの魅力は、非常にいびつである。

ひたすら不気味なメロディラインに、地球の端っこからかき集めたような独特な歌詞。それを浮遊感のあるボーカルが歌う。聴いた瞬間、日常がはるか遠くに消え、狂気に満ち溢れた別世界がやってくる。開けてはいけない扉を開けてしまったような、そんな気分だ。その異常さに面食らう反面、怖いもの見たさで何度もリピート再生してしまう。するとだんだんと心地よくなってくる。クスリのような危うさと、強烈な中毒性を併せ持っているのだ。またPVも独特な手描きイラストで作られていて、彼らが作っているのは音楽ではなく、ひとつの世界だと実感する。

PV『SPAM生活』


一度聴けば脳裏に焼きつくフレーズとメロディ。一日中、頭から離れなくなる。もはや「聴いてしまった」と少し後悔してしまうほどだ。ぜひあなたも、聴いてしまってください。

PV『峠の幽霊』


written by 杉村利江(@__youth)






【The Oral Cigarettes】

はじめに、彼らのことを少し紹介しよう。2010年結成、奈良県在住の平均年齢21歳の4人組である。奈良県をはじめに、フレデリック同様関西で主に活動している。
The Oral Cigarettes、彼らのステージが始まると会場の空気が変わった。WWWはほどほどに寒かったのだが、暑く、熱くなったのだ。短調サウンドにスリリングな曲展開。クオリティーが高い。思わず声に出た。テクニカルだが安定したドラムに、会場を取り巻くようなリードギター、ベースが煽る。ボーカルの強い目ヂカラで会場は見渡され、彼らのための会場と化しどんどん曲は進む。最後の曲の前に、手拍子と「一緒に歌って」と呼び掛ける。「俺らはな、別にグランプリとかどうでもええねん。ここにいる人と一つになれれば。」そう言い、フットモニターに飛び乗り煽り、ライブを、演奏を楽しんだThe Oral Cigarettes。私含め、この言葉とスタイルに心を打たれた人がたくさんいたに違いない。きっちり盛り上げ、ステージを後にする姿は、今もしっかり脳裏に焼き付いている。

PV『逆恨み小僧 / mist』


Mash Fightの物販で、The Oral Cigarettesの1st mini album『月に吠えて、哀…』を購入した。単刀直入にかっこいい。上記したよう、スリリングな曲展開が盛大に盛り込まれている。短調曲で、切ないサウンドではあるが、どこかしら希望と勢いを感じた。彼らのはじまりを感じる1枚だ。

written by 桐木啓江(@k__xx)






Mash A&Rは、2013年も開催が発表されている。今年もきっと、すてきだろう。


MashA&R 公式サイト
http://mash-ar.com/ar/

The Oral Cigarettes公式サイト
http://theoralcigarettes.com/

フレデリック公式サイト
http://frederic-offficial.net/frederic_offficial_website/top.html

【レビュー】『アンカーソング』 / THE ラブ人間

アンカーソング (完全生産限定盤)アンカーソング (完全生産限定盤)
(2012/12/19)
THEラブ人間

商品詳細を見る


幕開けのギター

 歪んだギターのコードから始まる表題曲“アンカーソング”。今までのラブ人間には無い始まり方である。それが、彼らの新たな幕開けを鳴らす音になった。
人間の、恥ずかしい、と言えば可愛いが、恋愛の混雑した感情を歌ってきたTHE ラブ人間。私は、今回シングルの2曲がギターに重きを置いたサウンドになっていることに注目したい。このバンドのギタリストは歌手:金田康平一人であり、主にクリーンのコードストロークを主体としてきた。しかし、今作では歪んだギターを中心に、初と言ってもいいギターソロもありと、ロックのアティチュードに乗っ取ったプレイを見せている。これによりフォーク色の強かったバンドサウンドがガツンとしたロックサウンドへと変化を遂げている。なぜ彼ら、いや、金田康平のギターに歪みが必要だったのだろうか。それは、愛の淀み(=歪み)表現するためではないだろうか。上澄みだけをすくったラブソングではない彼らの表現をより立体的にするためではないだろうか。例えるなら、eastern youth的なアプローチだと思われる。そしてこの変化が、曲全体をよりエモーショナルにしている。
 完全生産限定のDVDはアルバム『恋に似ている』のリリースツアー時や3周年記念ライブ時の映像と、過去の貴重映像も収録。これまでとこれからのTHE ラブ人間を、同時に視聴できる今シングルは、彼らを知る上でのマストアイテムだ。

Text by 田中宏一郎(@tanakou_INM)

齢32年の戦い

明けましておめでとうございます。
今年も音小屋大阪をよろしくお願いします。
さて、連続投下でお届けするライブレポート!!
今回は京都の兄貴分的バンドthe coopeezのレコ発企画です。




the coopeez presents BANPAKU vol.5@京都MOJO 2012/12/22


THEロック大臣ズ
Bell Boy
Band A
the coopeez

 12/5にリリースされたthe coopeezのアルバム『GOLDENTIME』。それを記念して今回開催されたのが彼らの自主企画BANPAKUだ。会場京都MOJOは、ヴォーカル藤本がブッキングを務めるライブハウスだけあって、多くのバンドマンたちが集まっていた。

 トップを飾ったのは京都のパンク最有力バンド、個人的には今の日本のパンクシーンでも注目すべき4人組、THEロック大臣ズ。彼らの音楽はシンプルでストレートなパンクロック。各自の演奏力も高く、すべての音が1つの弾丸となって鼓膜を打つ。特に、上裸のクリスマスコスプレで登場したギター大臣は往年のギターヒーローに通ずるかっこよさがある。最後はTHEロック大臣ズが誇るアンセム“ロックンロールよ永遠なれ”で大合唱を巻き起こしライブを締めた。

 続いては東京からやってきたBell Boy。このバンド、全く名前を知らなかったかのだが、とんでもないバンドである。特にヴォーカル櫻は「酔っ払いにマイクとギターを持たせたらこうなった」という感じ。歌に明確なメロディはあったりなかったり。言ってしまえば何を言っているのかわからない。しかし、何が言いたいのかははっきりと伝わってくる。彼らのバンドサウンドは後期Number Girlを思わせる箇所がいくつもあり、特にドラム吉田雄介のドラミングはアヒトイナザワを彷彿とさせ見惚れてしまった。ギターとベースの前田兄弟もウッドストックのステージからそのまま飛び出したような衣装と演奏で抜群の存在感を放っていた。

 3番手は福岡発、現在は東京を拠点に活動するBand A。2000年代以降の日本のギターロックの流れを正当に継承している、という印象があった。しかし、そこにギター岡愛子のエフェクティブなギターサウンドと、緩急が効いた原コウヘイのヴォーカルが彼らにオリジナリティを携えており、フロアは大いに盛り上がりを見せた。今年はRISING SUN ROCK FESTIVALへオーディションからの出演を果たし、12月度のタワレコメンにも選出された彼ら。これからさらに飛躍していくだろう、伸びしろに満ちたバンドである。最後に、前2バンドのギター大臣と前田リューキのギタリストぶりに押されたか、岡のギターがもっと伸び伸びと響き渡れば、と思ったことを付け加えておきたい。


 そして、熱気も頂点に達しようとしている京都MOJOのステージに、the coopeez藤本が登場。<Fight the myself>とフロア、そして自分自身に投げかけ、リリースされたアルバム『GOLDENTIME』の“オープニング”からライブはスタート。藤本のラップをBGMにメンバーたちがステージへ。そこにもう1人、Band Aの岡の姿が。藤本のギターを掻きむしり曲後半のバンドサウンドに加わっていた。ゲストへの拍手とともに岡から藤本へギターが託され、彼らのライブは一気に加速。アルバム内の“カレーとライス”、“恐竜人間”等代表曲を矢継ぎ早に投下。その後の“オンナノコ・ネバーギヴアップ”では切なくもエモーショナルな表情を覗かせ、彼らの多彩な楽曲の幅を惜しむこと無く体感出来た。
 「10年かけてやっと、みんなが当たり前に立てるスタートに立てた。ずっとやり続ければスタートくらいには立てるんだ」藤本のMCでの言葉である。バンドは結成10年。そしてようやく1stアルバムのリリースに至った。藤本の年齢は32歳。はっきり言えば遅すぎるスタートだと言える。しかし、私はこのスタート、遅い早いの問題ではなく、彼らでなければたどり着けなかったであろう最高のスタートだと思う。前述したように会場には多くのバンドマンが集まっていた。みな藤本を、the coopeezを慕っている人間ばかりである。曲の合間には必ず「クーピーズ!かっこいいぞ!」、「早く売れろ!もっと売れろ!」等温かく力強い声が飛んでいた。こんなにも同胞に愛され、同胞を愛すバンドがかっこよくないわけがないと私は思う。そしてもちろん彼らはかっこいい。特に、ダブルアンコールで披露した“ヒント”は彼らの魅力が詰まっているように思う。自分へのコンプレックス、他者へのコンプレス、世界へのコンプレックス。それに囲まれて暮らす。だけど、そんな暮らしの中に何もかもがある。それを知っていて、戦う彼らだからこそ、たどり着いたスタートがこのライブにはあったと思う。

Text by 田中宏一郎(@tanakou_INM)

音楽の街で起こった、僕らの時代の始まりのライヴ。

あけましておめでとうございます!!
こっそりと音小屋大阪で代表を務めている青木です。
元旦の今日は今年、もっとも注目しているバンドについて書きました。
僕の故郷、音楽の街、浜松で生まれた大好きなバンドです。




deepNow presents Soapbox TOUR 2012 FINAL!!@浜松FORCE 2012/12/29

<act>
deepNow
オールドローズ
The Days

12月29日。僕は「COUNTDOWN JAPAN 1213」でもなく「RADIO CRAZY 2012」でもなく、あるバンドを観るために浜松FORCEという小さなライヴハウスに足を運んでいた。そのライヴのために上記のふたつのライヴを諦めたと言っても過言ではない。そのバンドの名はdeepNow。これからの日本の音楽シーンを担っていくバンドだ。大袈裟に聞こえるかもしれないが、この日のライヴを観て確信した。僕が保証しよう。このバンドがこれからの音楽シーンの台風の目となることを。

しかし、彼らのことを知っている人は少ないだろう。まずは、少しだけ彼らについて書こうと思う。

deepNowとは、静岡県浜松市在住、平均年齢19歳の3ピースロックバンドである。今年の3月に初のミニアルバム『Soapbox』を全国リリースし、同時に、これまた初の全国ツアーとなる「Soapbox TOUR2012」をスタートさせた。このツアーの道中には、いくつかのフェスにも参加した。夏には、「FUJI ROCK FESTIVAL'12」と「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2012 in EZO」、秋には、「BEATRAM MUSIC FESTIVAL 2012」に出場し、各地に爪痕を残すこととなった。10代のインディーズバンドが夏フェスの新人枠をダブルで獲得したことは異例中の異例だ。なんといっても、フジロックの「ROOKIE A GO-GO」への出場が大きいだろう。歴代出場バンドをみてみると、くるりやアジカン、サンボマスターなど、今では日本を代表するアーティストに成長しているバンドや、THE BAWDIESやQUATTROなど、最近活躍が目覚しいバンドも輩出しており、新人アーティストの登竜門的な存在といえるだろう。この1年、凄まじいスピードで成長し続けた彼らの集大成となるツアーファイナルが、この日、浜松FORCEで行われた。

この日のライヴは、浜松の若手バンド、オールドローズとThe Daysとの3マンライヴであった。先輩バンドであるdeepNowからの期待に応えるかのような2バンドの熱演も終わり、いよいよdeepNowの出番だ。幕が上がるとステージ上には荒木(BA&Cho)がお馴染みのアラーキーポーズ(注1)でセンターに威風堂々と立ち、長髪に丸眼鏡をかけた壮志(Vo&Gt)は、あたかもジョンレノンのようだ。憲佑(Dr&Cho)はツアー最後のライヴを最高のものにしようと、腰を据えて始まりの合図を待っている。この日のライヴは”New yorke”からスタート。この曲はベースの荒木がヴォーカルを務め、赤いシェイカーを振りながら暴れまわるクレイジーなダンスナンバーだ。1発目から、クレイジーなこの曲にオーディエンスも唖然としている。しかし、それも一瞬。瞬く間にホーム浜松をダンスフロアに変えていく。続いて<かもめのジョナサンは飛ぶことに疑問を抱き、さらに速く、限界を超えた速さを手に入れようといました。そして僕らも・・・>という壮志の独特のMCで始まった”Little Boy”、壮志の透き通った声が響き渡った”素晴らしき憂鬱”と、この全国ツアーの途中で育てていった新曲たちを地元浜松の届けると、やっとSoapboxからの1曲、”星が好きな子”へ。壮志の「hey!!」の掛け声とともにイントロのフレーズを繰り返していく。繰り返すたびに膨張していくサウンド。バンドがまるでひとつの生き物のように鳴き声を上げているかのように感じた。MCと荒木がヴォーカルを務める出来立てほやほやの新曲”Everything”(仮題)を挟み、このツアーで何度も演奏されてきた”自己完結出来ない少年A”へ。うねりを上げながら、まるでレッド・ツェッペリンを思い起こすような古風なリフをキメていくギター。もう壮志の身体とギターが一体化したかのように観えた。演奏に応えるかのように、オーディエンスもさらにノリに乗っていく。”Jack in the box”、”white mystery story”(仮題)、”Take7”とこれまたこのツアーで手に入れた新曲の連続投下。この1年で成長した姿を浜松の仲間たちに披露するかのような熱い演奏で、さらにフロアを沸かし本編は終了した。

アンコールを求める拍手に導かれ、再び3人が登場。ラストナンバーは題名通り暖かなバラード、”Sunballad”。この一年の思い出をこの一曲に詰め込んだような、感情むき出しの演奏に心が打たれた。最後に、この日の出演者全員でBlurの名曲”Tender”をセッション。最高にピースフルな光景が目の前に広がっていた。MCで荒木が<俺は今日出演しているバンドのみんなと高校のときから一緒にライヴをやってて。今日こうやって同じステージに立てて本当に幸せだなぁ。この3バンドがいるから浜松は安泰だ。みんな(オーディエンスに対して)は大学やらなんやらで、いろんなとこに散らばっちゃたけど、来年は俺らでどんどん全国回っていくから、近くに来たらこいよ>と純粋な目をして言っていた。また終演後、壮志も<最初のThe Daysの一音が鳴った瞬間、新しい時代が始まったように感じたんだ。この浜松で生まれた素晴らしい音楽を全国に届けたい>と僕に話してくれた。この言葉たちがこの日のライヴを象徴していたように思う。

ただ、この日のライヴで唯一残念だったのは、集客があまりにも少なかったことだ。年末でなかなか足を運べないシーズンだったのかもしてないが、フジロックやライジングサンへの出場が話題となった夏の同会場でのライヴに比べ、圧倒的に集客が少なく感じた。

この春にはニューアルバムもリリース予定だ。全国各地で場数を踏み、大きく成長した彼ら。きっと彼らの『今』が感じられる作品になっているのではないだろうか。近くに来た際にはぜひ観に行って欲しい。そして、彼らの『今』を感じて欲しい。彼らがどんな景色をみせてくれるのか、乞うご期待。

さあ、この国の音楽シーンがうねりをあげるぞ。
準備はいいかい?

(注1)・・・ベースの荒木が体全体で十字架のポーズを作ることをアラーキーポーズと言う

Text by 青木優太(yuta_LTD










今年は、もっともっと面白いアクションを起こしていく予定なのでお楽しみに!!!!!
きっと、すごいことになりますよ。

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